ストレージアカウントについて

Azureストレージアカウントは、Azureのクラウドストレージサービスを利用するための基本的な構成単位です。ストレージアカウントは、さまざまなデータストレージサービス(Blob Storage、File Storage、Queue Storage、Table Storage)を一元的に管理するために使用されます。以下に、Azureストレージアカウントの詳細について説明します。

ストレージアカウントの種類

  1. General-purpose v2(GPv2)ストレージアカウント
    • 最も一般的なストレージアカウントタイプであり、すべてのAzureストレージサービス(Blob、File、Queue、Table)をサポートします。
    • 最新の機能とパフォーマンスを提供。
    • 料金オプション:Standard、Premium。
  2. BlobStorageストレージアカウント
    • Blob Storage専用のストレージアカウントで、非構造化データ(オブジェクトデータ)を効率的に保存できます。
    • アクセス層(ホット、クール、アーカイブ)を指定可能。
    • 料金オプション:Standard。
  3. BlockBlobStorageストレージアカウント
    • ブロブデータの高パフォーマンスが必要なアプリケーション向け。
    • プレミアムパフォーマンス層のみ。
  4. FileStorageストレージアカウント
    • Azure Files用の高パフォーマンスストレージアカウント。
    • プレミアムパフォーマンス層のみ。
  5. General-purpose v1(GPv1)ストレージアカウント
    • 旧式のストレージアカウントタイプで、GPv2の前身。
    • 新しい機能は提供されず、GPv2への移行が推奨されます。

ストレージサービスの種類

  1. Blob Storage
    • Block Blobs: 大量のデータを効率的にアップロードできるブロブタイプ。
    • Append Blobs: ログのようなデータに適したブロブタイプで、データの追記が可能。
    • Page Blobs: ランダムアクセスが可能なブロブタイプで、Azure VHD(仮想ハードディスク)に使用されます。
  2. File Storage
    • Azure Files: クラウド内の共有ファイルシステムを提供。SMBプロトコルをサポートし、オンプレミスからもアクセス可能。
  3. Queue Storage
    • メッセージングソリューションを提供し、分散アプリケーションのコンポーネント間でメッセージをやり取りできます。
  4. Table Storage
    • NoSQLデータストアを提供し、構造化データの保存と高速クエリが可能です。

ストレージアカウントの主要機能

  1. 冗長性オプション
    • Locally-redundant storage (LRS): 同一リージョン内で3回複製。
    • Zone-redundant storage (ZRS): 複数の可用性ゾーンに複製。
    • Geo-redundant storage (GRS): 異なるリージョンに複製。
    • Read-access geo-redundant storage (RA-GRS): 異なるリージョンへの複製に加えて読み取りアクセスを提供。
  2. アクセス層
    • ホットアクセス層: 頻繁にアクセスされるデータに適しており、ストレージコストは高いがアクセスコストは低い。
    • クールアクセス層: あまり頻繁にアクセスされないデータに適しており、ストレージコストは低いがアクセスコストは高い。
    • アーカイブアクセス層: 長期間保存され、ほとんどアクセスされないデータに適しており、ストレージコストは非常に低いが、アクセスには時間がかかる。
  3. セキュリティ
    • データ暗号化: ストレージアカウントのデータは自動的に暗号化されます。
    • ネットワークセキュリティ: 仮想ネットワークサービスエンドポイント、ファイアウォール、プライベートリンクを使用して、ストレージアカウントへのアクセスを制御できます。
  4. データ移行
    • Azure Storage Explorer: GUIツールを使ってストレージアカウント内のデータを管理、移行できます。
    • AzCopy: コマンドラインツールを使用して、データを効率的に転送できます。
    • Azure Data Box: 大量データを物理的に移送するためのサービス。

利用シナリオとベストプラクティス

  • バックアップとリカバリ: Azure Blob StorageとAzure Filesを使用して、データのバックアップとリカバリを実行。
  • ビッグデータと分析: Azure Blob Storageに大量のデータを保存し、Azure HDInsightやAzure Databricksで分析を行う。
  • アーカイブとコンプライアンス: アーカイブアクセス層を利用して、法的要件に従ったデータ保存を実現。

Azureストレージアカウントは、さまざまなデータストレージニーズに対応する柔軟でスケーラブルなソリューションを提供します。適切なストレージアカウントタイプとサービスを選択し、ベストプラクティスに従うことで、効率的で安全なデータ管理が可能となります。

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