Azureには、複数のロードバランサーおよび負荷分散オプションがあります。これにより、アプリケーションのニーズに応じた最適なソリューションを選択できます。以下は、主なロードバランサーおよび負荷分散オプションの概要です。
1. Azure Load Balancer
機能と特徴:
- レイヤー4(L4)ロードバランシング: TCPおよびUDPトラフィックを負荷分散します。
- パブリックおよび内部ロードバランサー: インターネットトラフィックを分散するパブリックロードバランサーと、内部ネットワーク内のトラフィックを分散する内部ロードバランサーがあります。
- 健康プローブ: バックエンドのリソースの正常性を監視します(TCP、HTTP、HTTPSプローブ)。
- スケーラビリティ: 複数のバックエンドプールにトラフィックを分散して、アプリケーションの負荷を効果的に管理します。
使用例:
- 複数の仮想マシン間でトラフィックを分散して、高可用性を確保する。
- 内部サービス間の通信を最適化する。
2. Azure Application Gateway
機能と特徴:
- レイヤー7(L7)ロードバランシング: HTTPおよびHTTPSトラフィックを負荷分散します。
- Webアプリケーションファイアウォール(WAF): アプリケーションレベルの攻撃から保護します。
- SSL終了: SSL証明書を管理し、バックエンドサーバーへのトラフィックを暗号化解除します。
- URLベースのルーティング: URLパスによってトラフィックを特定のバックエンドプールにルーティングします。
- セッションアフィニティ: 同じクライアントのリクエストを同じバックエンドインスタンスにルーティングします。
使用例:
- ウェブアプリケーションのフロントエンドトラフィックを管理し、スケーラビリティとセキュリティを提供する。
- 複数のウェブサイトやサービスを単一のロードバランサーで管理する。
3. Azure Traffic Manager
機能と特徴:
- DNSベースの負荷分散: DNSレベルでトラフィックを分散します。
- 複数のエンドポイント: Azure内部および外部のエンドポイントをサポートします。
- トラフィックルーティング方法: パフォーマンス、優先度、重み付け、地理的など、さまざまなルーティング方法を提供します。
- フェイルオーバー: 特定のエンドポイントが利用不可になった場合、自動的に他のエンドポイントにトラフィックをルーティングします。
使用例:
- グローバルに分散したユーザーに対して、最適なエンドポイントにトラフィックをルーティングする。
- 災害復旧シナリオでのフェイルオーバーを管理する。
4. Azure Front Door
機能と特徴:
- グローバルなエンドポイント: 世界中のエッジロケーションでトラフィックを最適化します。
- レイヤー7(L7)ロードバランシング: HTTPおよびHTTPSトラフィックを最適化します。
- SSL終了: SSL証明書を管理し、トラフィックを暗号化解除します。
- キャッシング: 静的コンテンツのキャッシングを提供します。
- Webアプリケーションファイアウォール(WAF): アプリケーションレベルの攻撃から保護します。
- URLベースのルーティング: URLパスによってトラフィックを特定のバックエンドにルーティングします。
使用例:
- グローバルに分散したユーザーに対して、最速の応答時間を提供する。
- 複数のリージョンに展開されたウェブアプリケーションのトラフィックを管理する。
これらのオプションを活用することで、Azure環境内でのトラフィック管理と負荷分散を効果的に行うことができます。それぞれのサービスの特徴と利点を理解し、アプリケーションのニーズに最も適したものを選択することが重要です。
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