Oracleデータベースは、その内部で複数のバックグラウンドプロセスが連携しながら動作しています。これらのプロセスはデータベースの効率的な動作を支える重要な役割を担っています。本記事では、Oracleデータベースの主要なバックグラウンドプロセスについて、各プロセスの役割と機能を詳しく解説します。
また、Oracleデータベースのインスタンスを構成する要素としてバックグラウンドプロセスとSGAと呼ばれるメモリ構造があります。以下がSGAについて記載した投稿となりますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. データベースライター (DBWn)
用途: データの書き込み
データベースライター(DBWn)は、データバッファキャッシュからデータファイルに変更されたデータを物理的に書き込む役割を担います。これは、データベースが安定して動作するために不可欠なプロセスであり、バッファキャッシュの空きを確保するために必要です。複数のDBWプロセスが存在する場合もあり、大量の書き込みを効率的に処理します。
2. ログライター (LGWR)
用途: REDOログの書き込み
ログライター(LGWR)は、トランザクションがコミットされる際に、REDOログバッファからREDOログファイルに変更内容を記録するプロセスです。このプロセスは、データの整合性と障害時のリカバリを確保するために非常に重要です。LGWRは、トランザクションがコミットされた瞬間にデータをディスクに書き込むため、データベースの信頼性を維持します。
3. チェックポイント (CKPT)
用途: チェックポイント処理
チェックポイント(CKPT)は、データベースがディスク上のデータと一致するようにするための処理を管理します。CKPTプロセスは、データベースのインスタンスの状態を安定させ、クラッシュリカバリを迅速に行えるようにします。具体的には、最新のチェックポイント位置をデータファイルと制御ファイルに記録します。
4. システムモニター (SMON)
用途: システムリカバリとメンテナンス
システムモニター(SMON)は、データベースの起動時にシステムのクラッシュリカバリを行うプロセスです。また、未使用の領域を解放することや、一時セグメントをクリーンアップすることも担当します。SMONは定期的にデータベースを監視し、必要なメンテナンス作業を自動的に実行します。
5. プロセスモニター (PMON)
用途: プロセスの監視とリソースの解放
プロセスモニター(PMON)は、失敗したユーザープロセスの監視と、それに伴うリソースの解放を担当します。具体的には、セッションが異常終了した場合に、ロックの解除やメモリの解放を行い、システムリソースを健全に保ちます。また、サービス登録の管理も行います。
6. 管理モニター (MMON)
用途: 自動データベースメンテナンス
管理モニター(MMON)は、統計情報の収集や、アラートの生成など、自動的なデータベースメンテナンスタスクを実行します。MMONは、データベースのパフォーマンス監視において重要な役割を果たし、必要に応じてアラートログに通知を記録します。
7. アーカイバ (ARCn)
用途: REDOログファイルのアーカイブ
アーカイバ(ARCn)は、オンラインREDOログファイルをアーカイブREDOログファイルにコピーするプロセスです。これにより、ログのローテーションが可能になり、古いログ情報が失われることなく保存されます。アーカイブモードで稼働しているデータベースでは、データの完全なリカバリが可能です。
まとめ
Oracleデータベースのバックグラウンドプロセスは、データベースの効率的な運用とデータの安全性を支える重要な要素です。それぞれのプロセスが連携して動作することで、システム全体の安定性とパフォーマンスが向上します。DBAはこれらのプロセスを理解し、適切に管理することで、データベースの運用を最適化できます。
以下にOracleのサイトを記載しておりますので、是非参考にしてみてください。
データベース・リファレンスV$PROCESSでリストされるプロセスのうち、PNAME列の値がNULLではないものをすべて、Oracle Databaseバックグラウンド・プロセスと定義しています。
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